独り占めしてもいいですか…?【完】
千景は今、どんな表情をしてるの…?





どんな気持ちで、私のこと…抱きしめてるの?





聞きたくても、それを口にするのが怖くて…


口にすると、もう今までみたいにいられなくなるんじゃないかと思うと、何も言うことは出来なかった。





ただ今は…今だけは、千景の温かさに触れていたかった。





「美生…落ち着いた?」


「う、うん…ありがと」





そう言うと千景はあっさりと私から腕を離したのだった。





心臓をドキドキと鳴らし、恥ずかしさで目も合わせられない私とは対照的に、千景はいつも通り何事もなかったかのような平然とした顔をしていた。





千景も私にみたいに少しはドキドキしてくれたかな…?





なんてことを一瞬考えたが、そんなのを知るすべなどなく、胸はドキドキしたままだった。





「それじゃー早速練習するか!」


「そ、そうだね」





ここからはちゃんと集中しないと…!


いつまでも浮かれてる場合じゃないよっ
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