独り占めしてもいいですか…?【完】
「…美生、顔赤いけど、どうかした?」





はるちゃんは心配そうに私の顔を覗きこんだ。





「えっ…いや、なんでもない…よ」





そう言って咄嗟に私ははるちゃんから視線を逸らしてしまった。





そんな私の怪しい行動をはるちゃんが見逃すはずもなく…





あっさりと熱があることを見破られてしまったのだった。





「美生、熱あるのにバレーなんて危ないよ。今日は保健室で休んでなよ」


「ううん…私なら大丈夫…!それにせっかく練習したんだもん…どうしてもバレーに出たいの」


「美生…」





はるちゃんは眉を八の字に下げ、困った表情を浮かべていた。





ごめんね、はるちゃん。


はるちゃんが私のことを思って言ってくれていることは分かってる。


でも、今日だけは…どうしても出たいの。





はるちゃんは大きなため息を吐くと、やれやれといった表情をみせた。





「分かった。熱があることはみんなには内緒にしておく。だから…無理だけはしないでよ?」
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