独り占めしてもいいですか…?【完】
体育館へ向かうと、すでに大勢の生徒たちが集まっていた。





そして体育館の一角で、女子生徒の集団を発見した。





…きっと千景はあそこにいるよね。





学年問わず人気の千景は、こういった行事になると、より女の子たちの視線を集め、人気に拍車をかけるのだった。





ほんとは今すぐあって話したいけど…





流石にあの中に入る勇気はないもんなぁ。





遠くからその光景を眺めていると、隣ではるちゃんがにやりとした笑みを浮かべた。





「千景くんと話したいんだ?」


「えっ…いや、私はその…」





もう…はるちゃんはするどすぎるよ~…





私って、そんなに分かりやすいかな…?





「…千景忙しそうだし、またあとでいいよ。はるちゃん…私たちは先に並んで待ってよ?」





何か用があったわけじゃないし…


私はただの幼馴染だから…みんなの千景を奪っちゃだめだもんっ
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