独り占めしてもいいですか…?【完】
「じゃあさ、千景にバレなように応援しに行けば?」


「えっ」





私は驚いて目を丸くさせた。





確かに、その発想はなかった。


こっそり応援に行けば、千景に見つかることもないし怒られないもんねっ





「もうすぐ春那のリレーも始まるし、美生ちゃん行きたいでしょ?」


「うん!行きたい!」





千景ごめんねっ

私、こっそりと応援をしに行かせてもらいます!





「よしっじゃあ、ついてきて!」





こうして私は星くんと一緒に保健室を抜け、リレーが行われるグラウンドへと足を運ばせたのだった。





グラウンドにはすでに沢山の生徒たちで溢れかえっていた。





すごい人の数だ…


リレーが体育祭の一番の目玉だもんね。


そりゃ、盛り上がるわけだ。





「美生ちゃん、こっちこっち」





星くんに連れてこられた場所は、リレーで走るコースがよく見えるいい場所だった。
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