常識ナシの竜人サマ!
「ところで、ジュークは何故私を妻にと望んだのですか?」
場が十分和んだところでフェニルは疑問をぶつけた。問うた理由はただの興味である。
「……――――だ」
何故か顔を赤らめた後にボソボソと答えたジューク。
「ごめんなさい。もう一度言ってくださるかしら?」
「だから……その……ひ、一目惚れだ」
フェニルは全く予想をしていなかった答えに目をむく。政治的な理由だとかではなく一目惚れとは……。
知らず識らずのうちにじっとりとした目を向けていたようで、縮こまるジューク。フェニルは自分のペースがどんどん崩されてい
るのを感じた。
「ラフィットが早くどこかの娘と婚姻を結べ、とうるさいのでな。誰か良い娘はいないのかと探していたらフェニルの絵姿を見つけて……」
だんだんと小さくなっていく声から反省していることが読み取れる。彼なりにフェニルは半ば力尽くで花嫁としてしまった、ということを申し訳なく思っていたのだろう。
「私は『竜人』の娘と婚姻を結べ、と言ったのですよ?」
執事が口をはさんだ。彼がラフィットかと推測する。片眼鏡(モノクル)をかけた姿はいかにも執事、という風貌だ。改めてまじまじと見ると彼も相当な美形に入る。王太子以上ジューク以下、というところ。しかし美形といえども今の言葉は聞き捨てならない。
場が十分和んだところでフェニルは疑問をぶつけた。問うた理由はただの興味である。
「……――――だ」
何故か顔を赤らめた後にボソボソと答えたジューク。
「ごめんなさい。もう一度言ってくださるかしら?」
「だから……その……ひ、一目惚れだ」
フェニルは全く予想をしていなかった答えに目をむく。政治的な理由だとかではなく一目惚れとは……。
知らず識らずのうちにじっとりとした目を向けていたようで、縮こまるジューク。フェニルは自分のペースがどんどん崩されてい
るのを感じた。
「ラフィットが早くどこかの娘と婚姻を結べ、とうるさいのでな。誰か良い娘はいないのかと探していたらフェニルの絵姿を見つけて……」
だんだんと小さくなっていく声から反省していることが読み取れる。彼なりにフェニルは半ば力尽くで花嫁としてしまった、ということを申し訳なく思っていたのだろう。
「私は『竜人』の娘と婚姻を結べ、と言ったのですよ?」
執事が口をはさんだ。彼がラフィットかと推測する。片眼鏡(モノクル)をかけた姿はいかにも執事、という風貌だ。改めてまじまじと見ると彼も相当な美形に入る。王太子以上ジューク以下、というところ。しかし美形といえども今の言葉は聞き捨てならない。