常識ナシの竜人サマ!
常識として
 あの後ジュークから謝罪を受け、「少し部屋で休むといい」と自室となる場所へ通された。そこは何とも少女趣味(ロマンティック)な部屋であった。天蓋付きのベッドにピンク色のドレッサー。もともとこんな部屋を使っていた人間、いや竜人がいるとは思えないのでフェニルのためにそろえたのだろう。


 ベッドは見た目が良いだけではなく、王族が使うような最上級の物だ。さわり心地でわかるのだから、もしかしたらもっと良い物かもしれない。


 ベッドの上に腰掛けるとドレスがふわりと広がる。そしてはしたないとは思ったが、そのまま後ろに倒れ込んだ。ベッドがフェニルを包み込む。


 今日のことで思いの外疲れていたのだろう。一気に眠気が襲ってきた。


(少しくらいなら、構わないわよね……)


 そんなことを考えながら少しの間、フェニルは夢の世界へと沈み込んだ。
< 13 / 14 >

この作品をシェア

pagetop