最後にあなたの唇を



────────
─────




───ガチャ、


やっと、玄関のドアが開く音が聞こえた。




ただ今、夜0時。


いつもなら先にご飯を食べて寝ているところだけど、今日に限ってはご飯も食べるのを待ってずっと起きていた。




「おかえり」

「…!」


起きている私を見て、驚いた様子の修斗。




「なんで起きてるんだ?……夕飯も食べないで」



テーブルに置いてあるラップのかかった2人分の夕飯を見て修斗は言う。


いつもなら、修斗が帰って来た時にテーブルに置いてあるのは1人分の夕飯だから。





「し、修斗とね…!久しぶりにお喋りしたいなって思って…」


勇気を振り絞って言った。


少し声が震えたけど。




< 4 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop