最後にあなたの唇を
「さ、ゆ…? ─────…ッ!!」
そっと、自分の唇を彼のそれに触れさせる。
自分からするのなんて、いつぶりだったんだろうか。
突然のことで驚いている彼に、クスッと笑った。
「これで、今と来月の修斗の気持ちが変わることないよね」
きっと今の私は、相当悪戯な表情をしているんだろう。
「…はぁ、負けた。…そうだな、いい意味では気持ちが変わってると思うよ」
修斗のその言葉、私忘れないからね。
1ヶ月後、私の隣には私だけを見てくれる彼の姿がありますように。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい、沙優」
【Fin.】