最後にあなたの唇を
けど。
「沙優」
名前を呼ばれて思わず見上げると、意外にもそこには優しく笑ってる修斗がいて。
「嫌?彼女とのご飯を嫌だなんて言う男、いるわけないだろ?」
そう言って、私の頭を撫でてくれた。
久しぶりに感じる修斗の大きな手。
嬉しくて嬉しくて、泣きそうになるのを必死に堪えた。
"修斗に気持ちを伝える"
ふと、今日の千賀子との会話を思い出す。
「…修斗」
「ん?」
「好きだよ」
「…ったく、本当に今日はどうしたんだよ。まぁ、俺も沙優のこと好きだけどな」
思いの外すんなり気持ちを伝え合えた事に驚いた。
「ほら、食べよ?最近聞いてない大学の話、聞かせてくれよ」
気持ちを伝え合ったあとは、更に胸がドキドキ高鳴って。
「うん…っ!!」
久しぶりに2人で食べた夕飯は、とっても楽しかった。