最後にあなたの唇を



***




「────じゃ、行ってくるね」

「うん、行ってらっしゃい」




次の日、久しぶりに修斗と朝の会話をした。






そんな些細なことなのに、こんなに嬉しくて。


これは背中を押してくれた千賀子に感謝しなきゃ。



千賀子への報告とお礼を考えながら、私も大学へ向かった。




その間、色んなことも考えたりして。




修斗が好きだと言ってくれたことを思い出して照れたり。


けどまた前みたいに会話がなくなったらどうしようとか思ったり。



よし、今日は修斗の好きな肉じゃがでも作ってみようかなとか。


今度修斗の病院の話も聞いてあげようかなとか。




「…うわ、修斗ばっかじゃん、私」





千賀子へのお礼を考えてたはずが、いつのまにか修斗のことしか考えてない自分に笑ってしまった。





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