こちら、メディア検閲科
綺麗な御姉様、藍川さん。
何もかも完璧。分かる?
髪染めたりメイクとかあんまりしてないのにそのまんまで完成形。
長くて綺麗な黒髪にまるでお餅のごとく決め細やかな肌。
あ、ごめん俺変態ぽいね。
とにかく美人なの。欠けてる部分なんて何もないんだわ。
国立にいる以上才色兼備。ヤバくない?

藍川さんは隣に座って、目を合わせそれはそれはよく話してくれた。
国立大の話、検閲科の話、キャンパスライフ。その他もろもろ。
でも見惚れててあまりまともな受け答えができなかった。ごめん、藍川さん。

「斎藤くん、あとちょっとで着くよ。
降車に気を付けてね。」

「はわわ……、はい!」

どうしよう、挙動不審じゃん俺。
しばらく進んだ後にバスは停車する。
一番前の人から降りるのがルールのようで、藍川さんはすぐに立って手招きをしてくれた。
ついていって、運転手に一礼をしてバスから降りる。

そこには、近未来を景色で表したような風景があった。
ごくっと生唾を飲んだ。
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