笑顔と猫とどんぶらこ～フーテンさきの歌紀行～
「純情な水樹さんをからかうなんて許せません！　あんなことは！　もう二度としないでくださいね！」
　まなちゃんは厳しい口調で言った。
　こんなに怒っているまなちゃんを見たのは、あたしは初めて。

「はい。あんなことは、もう二度としません。ごめんなさい」
　あたしはまなちゃんに頭を下げて謝った。
　年下の子に叱られたあたし……。なんとも情けなくて恥ずかしい。馬鹿なあたしを叱ってくれたまなちゃんのために、水樹くんのために、自分のために、エロスは封印して、心の底から反省しなければならない。この先も、いろいろと学ぶことがありそう。

「焚き火に当たって汗を掻いたので、川に入って水浴びしませんか？」
　まなちゃんがいつもの愛らしい笑顔で言ってくれた。あたしが素直に謝ったことで、機嫌を直してくれたよう。

「うん。川に入って水浴びしよう」
　あたしはすぐに返事をして、月明かりの下で服を脱いで裸になり、川に入って水浴びをした。

　まなちゃんも裸になって、気持ち良さそうに水浴びをしている。
　水はすごく冷たいけれど、なんだかとっても気持ち良い。
　ついさっき、まなちゃんに叱られたばかりだというのに、開放的な気分になると、どうしてもエッチなことを考えてしまう。そんな自分が情けなくて恥ずかしい。

　この綺麗な水で、心と体の汚れを洗い流して、まなちゃんや水樹くんのような、清らかな心を持たなければならない。

「体が冷えてきましたので、私はそろそろ上がりますね」
「あたしも上がるね」
　まなちゃんとあたしは川から上がり、バスタオルで体を拭いて、爽やかな夜風で髪を乾かし、パジャマを着てテントの中に入った。
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