笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
池袋を出発してから、十九日目にして、ようやく日本海にたどり着いた。
あたしがよく通っていた湘南海岸と比べると、砂浜の面積は狭いけど、荒々しい波が打ち寄せていて、いかにも日本海らしい風景が広がっている。
「さきさん! とうとう日本海に着きましたね!」
大きな声で言ったまなちゃんは、目を輝かせながら、日本海を見つめている。
「うん! やっと着いたね!」
乗り物には一切乗らず、数百キロもの道のりを自分の足だけで歩いてきたし、この海岸にたどり着くまでの間に、いろんなことがあったので、喜びは大きいし、ものすごい達成感がある。
「綺麗な砂浜なのに、人が少ないですね」
「海水浴シーズンじゃないし、空が曇っているし、ちょっと肌寒いからかもね」
まだ六月の下旬だから、海開きしていないのだと思う。
波の音しか聞こえない静かな浜辺には、犬の散歩をしているおばさんと、ゴミ拾いをしているおじさんと、あたしとまなちゃんしかいなくて、海の家も浜茶屋もない。
梅雨明け前の日本海は、なんだか切ない感じがする。
あたしがよく通っていた湘南海岸と比べると、砂浜の面積は狭いけど、荒々しい波が打ち寄せていて、いかにも日本海らしい風景が広がっている。
「さきさん! とうとう日本海に着きましたね!」
大きな声で言ったまなちゃんは、目を輝かせながら、日本海を見つめている。
「うん! やっと着いたね!」
乗り物には一切乗らず、数百キロもの道のりを自分の足だけで歩いてきたし、この海岸にたどり着くまでの間に、いろんなことがあったので、喜びは大きいし、ものすごい達成感がある。
「綺麗な砂浜なのに、人が少ないですね」
「海水浴シーズンじゃないし、空が曇っているし、ちょっと肌寒いからかもね」
まだ六月の下旬だから、海開きしていないのだと思う。
波の音しか聞こえない静かな浜辺には、犬の散歩をしているおばさんと、ゴミ拾いをしているおじさんと、あたしとまなちゃんしかいなくて、海の家も浜茶屋もない。
梅雨明け前の日本海は、なんだか切ない感じがする。