笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「綾香さんの家にお邪魔させていただきます」
あたしとまなちゃんは、再び声を揃えて同じことを言った。
とっても嬉しそうにしている綾香さんは、まなちゃんにスマホを借りて、実家に電話した。
「それでは、私の家に行きましょう」
軽やかな足取りで歩き始めた綾香さんの後に続いて、心地好い海風が吹き抜けている海岸沿いの道を歩いていき、辺りが薄暗くなった頃、綾香さんの実家に着いた。
さすがお魚屋さんだけあって、見るからに新鮮そうな魚介類ちゃんたちがたくさん並べられている。地元の人気店なのだろうか、お客さんの数が多い。
「お待ちしておりました」
「さあ、どうぞ、お上がりください」
綾香さんのご両親が笑顔で出迎えてくれた。
「遠慮なく寛いでくださいね」
ずっと笑顔のままの綾香さんに案内されて、あたしとまなちゃんは広々とした和室に通された。
綾香さんの話によると、お魚屋さんを始めたのは、綾香さんのおじいさんとのことで、綾香さんのお父さんが二代目とのこと。
ちょっと生臭いから、空気清浄機をガンガンに回してくれ。あたしは魚の生臭い臭いが嫌いなんだよ。などと言ってはいけない。お魚ちゃんの臭いが染み付いた綾香さんの家。
タマになった気分で、一之瀬家の一員にならなければならない。
あたしとまなちゃんは、再び声を揃えて同じことを言った。
とっても嬉しそうにしている綾香さんは、まなちゃんにスマホを借りて、実家に電話した。
「それでは、私の家に行きましょう」
軽やかな足取りで歩き始めた綾香さんの後に続いて、心地好い海風が吹き抜けている海岸沿いの道を歩いていき、辺りが薄暗くなった頃、綾香さんの実家に着いた。
さすがお魚屋さんだけあって、見るからに新鮮そうな魚介類ちゃんたちがたくさん並べられている。地元の人気店なのだろうか、お客さんの数が多い。
「お待ちしておりました」
「さあ、どうぞ、お上がりください」
綾香さんのご両親が笑顔で出迎えてくれた。
「遠慮なく寛いでくださいね」
ずっと笑顔のままの綾香さんに案内されて、あたしとまなちゃんは広々とした和室に通された。
綾香さんの話によると、お魚屋さんを始めたのは、綾香さんのおじいさんとのことで、綾香さんのお父さんが二代目とのこと。
ちょっと生臭いから、空気清浄機をガンガンに回してくれ。あたしは魚の生臭い臭いが嫌いなんだよ。などと言ってはいけない。お魚ちゃんの臭いが染み付いた綾香さんの家。
タマになった気分で、一之瀬家の一員にならなければならない。