笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「お風呂が沸いていますので、ゆっくり入ってくださいね」
 荷物を整理していたとき、綾香さんのお母さんが声を掛けてくれた。

「それでは、お風呂に入らせていただきます」
 あたしとまなちゃんは、綾香さんのお母さんのご好意に甘えさせてもらって、ゆっくりとお風呂に入った。

 広々とした和室で寛いでいたところ、綾香さんのご家族が次から次へと料理を運んできてくれた。

 マグロとカンパチとホタテと甘エビのお刺身。
 キスと車エビとゲソの天ぷら。
 カサゴとメバルのから揚げ。
 カレイと金目鯛の煮付け。
 タコの姿焼き。
 イクラの醤油漬けにイカソーメン。
 サザエのつぼ焼き。
 あさりの酒蒸し。
 鱈の白子。
 大きなズワイ蟹がまるごと三匹。
 海鮮茶碗蒸し。
 あんこうの肝鍋。
 カツオの叩きに、ほっかほかご飯。
 伊勢海老のお味噌汁。

 どれから食べようかな。と考えている間に、綾香さんと綾香さんのご家族も席についた。

 今夜の晩ご飯のメンバーは、綾香さんと綾香さんのご両親と祖父母さんと妹さんとあたしとまなちゃんとの八名。こんなに大人数で食事を囲むのは、あたしはかなり久しぶり。
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