笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
 ゾンビさんに襲われる夢を見て目が覚めた。口を真っ赤に染めたゾンビさんに、おっぱいをかじられてしまい、はらわたをむさぼられて、脳ミソも食べられてしまった。
 
 あたしのおっぱいとはらわたと脳ミソを食いやがって! 頭を叩き割るぞ! などと言ってはいけない。ゾンビさんたちは、体を撃たれても手足が千切れても、生きるために、人間の体にかじりついてくる。必死に食料を求めている。そんなゾンビさんたちは可哀想だと思う。

 所持品は全てある。
 襲われた形跡はない。
 胸を揉まれた形跡もない。
 穴に突っ込まれた形跡もない。
 あたしが眠っている間に雨は止んだようだ。
 今日は朝から晴れている。
 こんなに天気が良くなったのは、ゾンビさんの夢を見たからだと思う。

 今日はなんだか蒸し暑い。
 裸で歩きたいくらいだ。
 公衆わいせつ罪で捕まったら、旅は終わってしまう。
 胸とアソコは葉っぱで隠さなければならない。なんていうのは冗談だ。
 あたしは露出狂じゃない。
 Tシャツにデニムのショートパンツ。公園で生着替え。テンガロンハットを被って首にタオルを巻いてコンビニへ向かった。

 今日の朝ご飯は、食パンに納豆を挟んだ納豆サンドウィッチとコーヒー牛乳。十時のおやつは、うまい棒とよっちゃんいか。三時のおやつは何にしよう。
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