笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「おじいちゃんの好きな歌は何かな?」
「わしの好きな歌は、夏の思い出じゃよ」
ステテコ姿のおじいちゃんは即答した。
何か思い出のある歌なのだろうか。
「あたしが歌うから、よく聴いててね」
「うん。聴かせてもらうよ」
はにかんだ笑顔で返事をしてくれたステテコ姿のおじいちゃんとまなちゃんとブサイク顔の秋田犬の目の前で、あたしは声を張り上げて、夏の思い出を熱唱した。
こんなに朝早くから歌ったのは初めて。
「懐かしいのう。夏の思い出は、わしの妻がよく歌ってた歌なんじゃよ」
わしの妻……。あたしの耳に確かにそう聞こえた。
「おじいさんには、奥様がいらっしゃるんですか?」
すかさずまなちゃんがステテコ姿のおじいちゃんに尋ねた。
「わしには、幸子という妻がいるんじゃよ」
ステテコ姿のおじいちゃんは嬉しそうな声で答えた。
あたしが歌った夏の思い出を聴いて、奥さんのことを思い出したよう。
「おじいさんには、幸子さんという奥様がいらっしゃるんですね。自分の名前も思い出しましたか?」
「うん。思い出したよ。わしの名前は、鈴木田吾作じゃった」
「おじいさんのお名前は、鈴木田吾作さんなんですね。思い出せてよかったですね」
「うん。よかったよ」
「わんちゃんの名前も思い出しましたか?」
「うん。思い出したよ。わしが飼っている犬の名前は、ぽちすけじゃった」
「ぽちすけちゃんでしたか。家の場所も思い出しましたか?」
「うん。思い出したよ。わしの家は、南州神社の近くじゃった」
「おじいさんの家は、この近くなんですね。それでは、家に帰りましょうか」
「うん。家に帰るよ」
やっと自分のことを思い出した田吾作おじいちゃんが、ぽちすけちゃんを連れて、ゆっくりと歩き始めた。
あたしとまなちゃんは、田吾作おじいちゃんとぽちすけちゃんの後に続いて歩いていった。
「わしの好きな歌は、夏の思い出じゃよ」
ステテコ姿のおじいちゃんは即答した。
何か思い出のある歌なのだろうか。
「あたしが歌うから、よく聴いててね」
「うん。聴かせてもらうよ」
はにかんだ笑顔で返事をしてくれたステテコ姿のおじいちゃんとまなちゃんとブサイク顔の秋田犬の目の前で、あたしは声を張り上げて、夏の思い出を熱唱した。
こんなに朝早くから歌ったのは初めて。
「懐かしいのう。夏の思い出は、わしの妻がよく歌ってた歌なんじゃよ」
わしの妻……。あたしの耳に確かにそう聞こえた。
「おじいさんには、奥様がいらっしゃるんですか?」
すかさずまなちゃんがステテコ姿のおじいちゃんに尋ねた。
「わしには、幸子という妻がいるんじゃよ」
ステテコ姿のおじいちゃんは嬉しそうな声で答えた。
あたしが歌った夏の思い出を聴いて、奥さんのことを思い出したよう。
「おじいさんには、幸子さんという奥様がいらっしゃるんですね。自分の名前も思い出しましたか?」
「うん。思い出したよ。わしの名前は、鈴木田吾作じゃった」
「おじいさんのお名前は、鈴木田吾作さんなんですね。思い出せてよかったですね」
「うん。よかったよ」
「わんちゃんの名前も思い出しましたか?」
「うん。思い出したよ。わしが飼っている犬の名前は、ぽちすけじゃった」
「ぽちすけちゃんでしたか。家の場所も思い出しましたか?」
「うん。思い出したよ。わしの家は、南州神社の近くじゃった」
「おじいさんの家は、この近くなんですね。それでは、家に帰りましょうか」
「うん。家に帰るよ」
やっと自分のことを思い出した田吾作おじいちゃんが、ぽちすけちゃんを連れて、ゆっくりと歩き始めた。
あたしとまなちゃんは、田吾作おじいちゃんとぽちすけちゃんの後に続いて歩いていった。