笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「ピポピポ語って知ってる?」
「さあ、聞いたことがありません」

 博学なまなちゃんが知らないピポピポ語とは……。

「ピポピポ語は、僕の星の公用語です。申し遅れましたが、僕はピポピポ星からやって来ました、小早川大輔と申します。あなた方、地球人から見ると、僕は宇宙人ということになりますね」
「どっからどう見ても日本人じゃねーかよ! 小早川大輔って日本人の名前だろ! 宇宙人なのに何でそんなに日本語が上手いんだよ! ふざけたことをぬかしてるんじゃねーよ!」
 あたしは即座にツッコミを入れた。

「どうどうどうどうどう。とりあえず、小早川さんの話を聞いてあげましょう」
「う、うん」
 あたしはまなちゃんになだめられて大人しくなった。

 二十四時間一緒にいるため、まなちゃんはあたしの扱いにだいぶ慣れてきたよう。

「ピポピポ語で話してもらえますか?」
 まなちゃんが小早川くんに頼んだ。

「いいですよ。ピポピポピポピポピポピポピポピポ」
「何て言ったんですか?」
「ソーメンの美味しい季節ですね。と言ったんです」
「ピポピポしか言ってねーじゃねーかよ! どのピポピポがソーメンなんだよ! あたしとまなちゃんを馬鹿にするんじゃねーよ!」
 あたしは即座にツッコミを入れた。

「どうどうどうどうどうどうどう。短気を起こしてはいけませんよ」
「う、うん」
 あたしはまなちゃんになだめられて大人しくなった。
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