笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「喜んでもらえて良かったよ。もっと飲んでおくれ」
かよちゃんが嬉しそうな顔で言ってくれた。
手作りのものを褒められるのは嬉しい。あたしの歌も手作りなので、かよちゃんの嬉しい気持ちはよくわかる。
あたしとまなちゃんはリンゴジュースをおかわりして、ソーメンを食べ始めた。
「かよちゃんは、お一人暮らしなんですか?」
まなちゃんがソーメンを食べる手を止めて、かよちゃんに尋ねた。
「夫が旅立ってから、ずっと一人暮らしだよ」
かよちゃんはどこか寂しげな表情で答えた。
一人暮らしの寂しさは、あたしもよく知っている。
ただ、歳を取ってからの一人暮らしは、若い頃の一人暮らしとは違うと思う。
「かよちゃんの旦那様は、お亡くなりになられたのですね」
「うん。十八年前の夏にね」
「そうだったんですか。何も知りませんで、すみませんでした」
「いいんだよ。気にしないでおくれ」
「はい。お子さんはいらっしゃるんですか?」
「息子が一人いるんだけども、ずいぶん前に東京に行ってしまってね」
「そうなんですか。一人暮らしは寂しくないですか?」
「たまに寂しいと思うときがあるけども、一人暮らしには慣れたからね」
明るい表情で答えたかよちゃんは、少し間を置いてから、リンゴに対する想いを語り始めてくれた。
リンゴジュースが大好きなかよちゃんは、東京で暮らしていた頃に知り合った旦那様と青森県に引っ越されて、それまで貯めていた貯金で土地を買い上げて、長年の夢だったリンゴの栽培を始められたとのこと。
かよちゃんは旦那様を亡くされてからも、一人でリンゴの栽培を続けていき、今から三年ほど前に引退されて、現在はスローライフを楽しんでいるという。
東京で家庭を築いた息子さんが、「おれたちと一緒に暮らさないか」と言ってくれたとのことだけど、かよちゃんは息子さんの誘いを断り、ずっと青森県で暮らしているとのことだった。
かよちゃんが嬉しそうな顔で言ってくれた。
手作りのものを褒められるのは嬉しい。あたしの歌も手作りなので、かよちゃんの嬉しい気持ちはよくわかる。
あたしとまなちゃんはリンゴジュースをおかわりして、ソーメンを食べ始めた。
「かよちゃんは、お一人暮らしなんですか?」
まなちゃんがソーメンを食べる手を止めて、かよちゃんに尋ねた。
「夫が旅立ってから、ずっと一人暮らしだよ」
かよちゃんはどこか寂しげな表情で答えた。
一人暮らしの寂しさは、あたしもよく知っている。
ただ、歳を取ってからの一人暮らしは、若い頃の一人暮らしとは違うと思う。
「かよちゃんの旦那様は、お亡くなりになられたのですね」
「うん。十八年前の夏にね」
「そうだったんですか。何も知りませんで、すみませんでした」
「いいんだよ。気にしないでおくれ」
「はい。お子さんはいらっしゃるんですか?」
「息子が一人いるんだけども、ずいぶん前に東京に行ってしまってね」
「そうなんですか。一人暮らしは寂しくないですか?」
「たまに寂しいと思うときがあるけども、一人暮らしには慣れたからね」
明るい表情で答えたかよちゃんは、少し間を置いてから、リンゴに対する想いを語り始めてくれた。
リンゴジュースが大好きなかよちゃんは、東京で暮らしていた頃に知り合った旦那様と青森県に引っ越されて、それまで貯めていた貯金で土地を買い上げて、長年の夢だったリンゴの栽培を始められたとのこと。
かよちゃんは旦那様を亡くされてからも、一人でリンゴの栽培を続けていき、今から三年ほど前に引退されて、現在はスローライフを楽しんでいるという。
東京で家庭を築いた息子さんが、「おれたちと一緒に暮らさないか」と言ってくれたとのことだけど、かよちゃんは息子さんの誘いを断り、ずっと青森県で暮らしているとのことだった。