笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「いってきます」
「いってらっしゃい」
まなちゃんと海老原さんに見送られ、あたしはフェリーに乗船した。
狭い階段を一気に駆け上がって甲板に出た。
まなちゃんと海老原さんの姿が見える。二人とも笑顔。
「まなちゃーん! あたしと一緒に旅をしてくれて! 本当にありがとうね! 必ずまた逢おうね!」
あたしは甲板から身を乗り出して、まなちゃんに向かって手を振った。
「さきさーん! いっぱい! いっぱい! いっぱい! いっぱい! いっぱい! ありがとうございました! 帰りを待ってますよ! 必ず私の家に来てくださいね!」
まなちゃんが両手を大きく振りながら言ってくれた。
「必ずまなちゃん家に行くからね!」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
大きな汽笛が響き渡り、多くの乗客を乗せたフェリーがゆっくりと岸から離れ始めた。
両手を高く上げて、ぴょんぴょんと飛び跳ねているまなちゃんの姿がどんどん小さくなっていく。
六十八日間もの間、二十四時間一緒に過ごしたまなちゃんとの別れ。いくら泣かないように我慢しても、両目から涙が溢れ出してくる。涙を止めようとしても、なかなか止まらない。
まなちゃんの姿が見えなくなってから、あたしは甲板に座って壁に寄りかかり、人目をはばからず、声を上げて泣いてしまった。
人は出会いと別れを繰り返し、強くなっていく。
あたしは泣きながら考えた。この悲しみを乗り越えれば、あたしはまた強くなれるかもしれないと。まなちゃんとの別れは、悲しい別れでも辛い別れでもない。あたしがさらに強くなるための一時的な別れ。いつまでも泣いてないで、笑顔になって立ち上がれ。
「まなちゃーん! 大好きだよ!」
オレンジ色に染まり始めてきた空に向かって大声で叫び、青森港の方を見つめながら、まなちゃんの歌を歌い続けた。
悲しい時こそおもいっきり笑え!
「いってらっしゃい」
まなちゃんと海老原さんに見送られ、あたしはフェリーに乗船した。
狭い階段を一気に駆け上がって甲板に出た。
まなちゃんと海老原さんの姿が見える。二人とも笑顔。
「まなちゃーん! あたしと一緒に旅をしてくれて! 本当にありがとうね! 必ずまた逢おうね!」
あたしは甲板から身を乗り出して、まなちゃんに向かって手を振った。
「さきさーん! いっぱい! いっぱい! いっぱい! いっぱい! いっぱい! ありがとうございました! 帰りを待ってますよ! 必ず私の家に来てくださいね!」
まなちゃんが両手を大きく振りながら言ってくれた。
「必ずまなちゃん家に行くからね!」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
大きな汽笛が響き渡り、多くの乗客を乗せたフェリーがゆっくりと岸から離れ始めた。
両手を高く上げて、ぴょんぴょんと飛び跳ねているまなちゃんの姿がどんどん小さくなっていく。
六十八日間もの間、二十四時間一緒に過ごしたまなちゃんとの別れ。いくら泣かないように我慢しても、両目から涙が溢れ出してくる。涙を止めようとしても、なかなか止まらない。
まなちゃんの姿が見えなくなってから、あたしは甲板に座って壁に寄りかかり、人目をはばからず、声を上げて泣いてしまった。
人は出会いと別れを繰り返し、強くなっていく。
あたしは泣きながら考えた。この悲しみを乗り越えれば、あたしはまた強くなれるかもしれないと。まなちゃんとの別れは、悲しい別れでも辛い別れでもない。あたしがさらに強くなるための一時的な別れ。いつまでも泣いてないで、笑顔になって立ち上がれ。
「まなちゃーん! 大好きだよ!」
オレンジ色に染まり始めてきた空に向かって大声で叫び、青森港の方を見つめながら、まなちゃんの歌を歌い続けた。
悲しい時こそおもいっきり笑え!