笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「まなちゃんは、地理に詳しいの?」
「詳しいというわけではないんですが、町の名前くらいならわかります。ここから歩いて日本海に行くには、関越道沿いの道を北上していって、埼玉県、群馬県、新潟県の順に進んで行けば、たどり着けると思います」

 日本海までの道順を教えてくれたまなちゃんは、OLをしているだけあって、あたしより遥かに頭が良さそう。

「そっか。それじゃあ、日本海を目指してレッツゴーだね」
「はい! どんな旅になるのかすごく楽しみです!」
「その前に、お昼ご飯を食べておかないとね」

 行き先を決めたあたしとまなちゃんは、池袋駅前のファストフード店に入り、ハンバーガーとフライドポテトを食べて腹ごしらえをした。

「それじゃあ、日本海を目指して出発しようか」
「はい! 頑張って歩きます!」

 あたしはテンガロンハットを被り、まなちゃんはチロリアンハットを被って、重たいリュックサックを背負い、日本海を目指して歩き始めた。

 昨日の夜に知り合ったばかりのまなちゃんとの女二人旅。いったいどんな旅になることやら。
< 51 / 258 >

この作品をシェア

pagetop