笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
 のんびりと露天風呂に浸かり、旅の疲れを癒して、部屋に戻って豪華な料理を食べながら日本酒を飲んだ。
 旅の疲れが溜まっているせいか、あたしもまなちゃんもすぐに酔っ払ってしまった。せっかく豪華な温泉宿に泊まっているのだから、このまま眠ってしまうのは惜しい。眠気を覚ますために、バルコニーに出て、爽やかな夜風に当たりながら、星空を見上げた。

「綺麗な星空だね」
「はい。目も耳も心も癒されます」
 山間にある静かな温泉宿から見える星空は、あたしが暮らしていたアパートの窓から見える星空とは比べ物にならないほど美しい。旅に出たからこそ、こうして実感できるというもの。
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