笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「逃げた子と比べると、ブスでババアだけど、お前で我慢してやるよ」
 とうとう本性を現したようだ。ポロシャツ姿のナンパ野朗が鋭い目つきであたしに言ってきた。
 やられてからでは遅い。やられる前にやる。
「はーい! あたしはブスでババアです! そんなあたしを抱いてくれるなんて! 最高に嬉しいです! すぐにパンティを下げるから、ちょっと待っててくださいね」
 あたしはデニムのショートパンツに手を掛けて、右手でチャックを下ろした。
 ナンパ野朗どもは油断しているようだ。
「ブスでババアで悪かったな! 調子に乗ってんじゃねーぞ! まずはてめーからだ!」
 ぶちギレたあたしは、ポロシャツ姿のナンパ野朗の股間をおもいっきり蹴り上げた。
「はうっ!」
 ポロシャツ姿のナンパ野朗は、悶絶の声を上げて、股間を押さえながら地面にひざまずいた。
「何するんだよ!」
 Tシャツ姿のナンパ野朗があたしに向かって言ってきた。
「うるせー。てめーもだ!」
 ぶちギレたままのあたしは、文句を言ってきたTシャツ姿のナンパ野朗の股間もおもいっきり蹴り上げた。
「はうっ!」
 Tシャツ姿のナンパ野朗も股間を押さえながら地面にひざまずいた。
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