笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「女相手に情けねー奴らだな。あたしたちを襲う気だったんだろ? ほら、早く立てよ」
 あたしはナンパ野朗どもを見下ろしながら言った。
 まなちゃんを守るために、絶対に負けるわけにはいかない。
「股間を蹴るなんて卑怯だぞ!」
 口を揃えて言ったナンパ野朗どもは、股間を押さえながら立ち上がった。
「うるせー。あたしとまなちゃんを襲おうとしておいて! 何が卑怯だ! 卑怯なのはてめーらだ!」
 怒りが頂点に達したあたしは、ナンパ野朗どもの股間を交互に蹴り上げた。

 はうっ! はうっ! はうっ! はうっ! はうっ! はうっ! 

 リズムよく悶絶の声を上げたナンパ野朗どもは、再び股間を押さえながら地面にひざまずいた。まったくいい気味だ。
 
 ここで一句。

 弱すぎるナンパ野朗どもの悶絶の声が響き渡る一本の道。あたしはエッチな喘ぎ声が響き渡る一本の道を歩いて行きたい。

 なんだこりゃ。なんだちみは。なんだあたしは。
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