笑顔と猫とどんぶらこ~フーテンさきの歌紀行~
「あの、すみません。もうすぐ桃が流れてくるんですが、その桃を拾っていただけませんか?」
あたしは息を切らしながら、釣り人の青年に頭を下げてお願いした。
「え、桃ですか?」
いきなりあたしにお願いされた釣り人の青年は、ちょっと驚いている様子。見ず知らずの人に、いきなり桃を拾ってくれなんて言われたら、誰でも驚くに決まっている。
「はい。桃を拾ってもらいたいんです。あ、桃が流れてきました。あの桃を拾ってください。どうぞよろしくお願いします」
あたしは再び釣り人の青年に頭を下げてお願いした。
「え、あの桃を拾うんですか?」
「はい。あの桃を拾ってほしいんです」
「拾いに行きたいんですけど、ちょっと流れが速いですし、僕は泳ぎがあまり得意ではないんです。でも、拾いに行きたい気持ちはあるんですよ」
釣り人の青年の声はだんだん小さくなっていった。泳ぎがあまり得意ではないと言っているから、流れの速い深瀬に入るのが怖いのだと思う。こうしている間にも、桃はどんぶらこと流れていってしまう。なんとかして説得しなければならない。
「拾いに行くのか行かねーのか! どっちなんだよ! ごちゃごちゃ言ってねーで! 早く決めろよ!」
あたしは優柔不断な男が嫌いだ。
あたしは息を切らしながら、釣り人の青年に頭を下げてお願いした。
「え、桃ですか?」
いきなりあたしにお願いされた釣り人の青年は、ちょっと驚いている様子。見ず知らずの人に、いきなり桃を拾ってくれなんて言われたら、誰でも驚くに決まっている。
「はい。桃を拾ってもらいたいんです。あ、桃が流れてきました。あの桃を拾ってください。どうぞよろしくお願いします」
あたしは再び釣り人の青年に頭を下げてお願いした。
「え、あの桃を拾うんですか?」
「はい。あの桃を拾ってほしいんです」
「拾いに行きたいんですけど、ちょっと流れが速いですし、僕は泳ぎがあまり得意ではないんです。でも、拾いに行きたい気持ちはあるんですよ」
釣り人の青年の声はだんだん小さくなっていった。泳ぎがあまり得意ではないと言っているから、流れの速い深瀬に入るのが怖いのだと思う。こうしている間にも、桃はどんぶらこと流れていってしまう。なんとかして説得しなければならない。
「拾いに行くのか行かねーのか! どっちなんだよ! ごちゃごちゃ言ってねーで! 早く決めろよ!」
あたしは優柔不断な男が嫌いだ。