桜の花が咲くころに
「そうだね。確かに橘くん。カッコイイもんね。
さぞモテるんだろうな~。」
「モテる!モテる!中学校の時とか、本当にモテてたよ。」
凄いなぁ~。あっ…でも…千草のこの王子押しの様子からして…もしかして…
「間違ってたらゴメン…。やっぱり千草も橘くんのこと、好きだったりするの?」
私の言葉に、千草が固まる。
「……は?」
「いや…だって…橘くんのこと、はじめから気にしてたし…。」
すると、千草が声にならない声を出しながら笑いだした。
「確かに王子のことは、嫌いではないわ。むしろあの性格を知ってたら、好感がもてるという意味で好きかもしれない。
でも恋愛感情の好きとは全く違うわよ。」