桜の花が咲くころに
昨日、橘くんに告白されて、返事もせずに逃げるように家に帰ってしまった。
今日学校で顔を合わせるのは、正直気まずい…。
でも…それよりも私は…!!
「千草っっおはよう!」
朝から教室に入ると、もう既に登校して席についていた千草に声を掛ける。
私が早めに登校して来たのは
【王子を好きになっても無理】
という事の真相を確かめること。
「桜おはよう。今日は登校するの早いのね。」
そう千草が微笑んだ。
私は通学バッグをロッカーに片付けることもせず、挨拶の勢いそのままで、千草に言葉を投げかけた。
「千草が言ってた【王子を好きになっても無理】ってどういうこと?
昨日からずっと気になって気になって…お母さんに起こされる前に、起きちゃったわよ。」