桜の花が咲くころに

「王子に限って…そんなことあるわけない。

冗談で告白したりはしないと思う。

でも…

でも…信じられないの。」



千草は私の目を真っ直ぐ見つめて、言葉を続けた。



「桜に告白したことが、信じられない訳じゃなくて、王子が

【特別なもの】

を作ろうとすることが、信じられないの。」



そう言うと、千草はポツリポツリと中学時代の橘くんの話をしてくれた。


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