桜の花が咲くころに
「中学生の時から、モテてモテて仕方ないっていうくらい、王子はモテてたのよ。」
そう切り出すと、千草は昔を思い出すように語っていく。
♡*.+゚♡*.+゚
モテていたのに、誰が告白しても、学年で1番の美人が告白しても、みんな断っていたの。
ある時、私が王子に
「学年1の美人を振るなんて、もったいない!」
って言ったら、彼は笑って
「自分が好きと思っていない相手と付き合ったところで、好きになれるかは分からないだろ?
どうせ付き合うなら、俺は自分が相手のことを【大好き】になってから、付き合いたい。」
って。その時は納得したのよ。
だって王子は、結構情熱的な部分もあるし、
何より、特別な子を作るよりは、みんなと仲良くしていたいって感じだったから。