桜の花が咲くころに
そしてまたゆっくりと口を開いた。
「その片思いの相手が、桜だったっていうなら納得なんだけど…。
やっぱり2人はどこかで会ったことあるんじゃないの?」
「いや…本当にない。会ってないと思う。」
私が千草にそう答えると、何を思いだしたのか、りっちゃんが口を開く。
「でもさぁ、王子…桜のこと名前…呼び捨てにしてた…よね!?」
「はぁ??」
りっちゃんの言葉に、千草が心底信じられないという声を出す。
「告白されたどころか、名前を呼び捨て??
信じられない!本当に信じられない!
ちょっと桜~~っっ!絶対に王子とどこかで会ったことあるでしょう?
思い出してよ!もの凄く悶々としてるんだけど!」
「そんなこと言われても、会ったことないものは、会ったことないし…どうしようもないじゃない。
いや…そもそも、王子がその子と進展してないって何で言いきれるの?
だって…もしかしたら、王子は告白したけど…振られちゃったっていうこともあるんじゃない?」