桜の花が咲くころに
なんて小さな顔なんだろう…。
小さな顔には、寸分の狂いもないほど綺麗にパーツが配置されている。
茶色くてフワッとした髪に触れてみたいな。凄く柔らかそうな髪。
そんな事を考えている間に、その男の子が振り返った私の目の前に立った。
あっ…ヤバイ…思わず見惚れてた…。
慌てて思考を切り替えると男の子に向かって言った。
「そっそうですよね。いそっ…急がなきゃ!」
うわぁ~最悪…。いくらイケメンが目の前に立っているからって、私…噛み過ぎでしょ…。
会釈をして学校の方向に歩きだそうとすると、
「ちょっと待って…。」
そう言って、自分の方を向かせた男の子が、私に向かって手を伸ばす。
何?
何??
近いっ!
超近いんですけどっっ!!