不器用な彼に恋した私。





「井上いるか!?」
「ええっ!?はいいっ?」

ゲスいオムライスに、本気で立ち直れないくらい、落ち込んでいた私を大声で二宮が呼ぶ。
突然の大声にオフィス内がざわつく。




「突然どうしたの?ニノちゃんよー。」
「昨日、お前の電話にあのお仕事男子が出たと思ったら、2度目にかけた電話には出ねぇからさ。

...お前、もしやヤッたな?
このリア充め!!爆発しろ!」








はいいっ?
何のこと...デショウカ。
突然大声で呼んだと思いきや、また突然大きな声でハレンチな事を空気の澄んだ綺麗な早朝に言った。



彼にオブラートを上げなければ...。
そうだ、今年は誕プレにオブラートをあげようかな。



そんな事を考えていたら、二宮に思いっきりデコピンを受けた。


「イデッ。」
「本気で!?本気で、ヤッたの!?」


「...っはぁ。
あのさ、お前らどんなプレイヤッてんの?
もしや、俺の電話でもっと営みに火をつけたか?」



朝から何考えてんの?この人...。


私は昨日は残念ながら、営みよりもこのオム弁を作るのに必死でした!!
そしたら、こんな黒焦げグロテスクなオムライスが出来上がりましたよ!?


それなのに、変な誤解...。

っはぁ。









突然のハレンチな発言に、少々苦笑いの私のもとに、まさかの噂をしていた人がやってきた。



「おっ...おおお仕事男子め...。
意外と変な趣味してんな、っけ!」

「お仕事男子に変な趣味?」



ギョッ!?
視線を上げた先には、昨日と同じくメガネとトレンチコート姿のスマートな翔さん。

...の片手には私のスマホ。



「...忘れてってる。」
「っぁりがとうございます!」

声が裏返って顔が赤くなる。


...また、借りを返さなきゃ。


そう心に留めていたとき、カコが、グロテスクなオムライス弁当を翔さんに大公開。

私、大後悔。。


目の前の翔さんは眉を寄せて険しい表情を浮かべた。

1口食べた二宮。
超悶絶してトイレへ駆け込む。


朝からゲスい。
ゲス過ぎて新鮮な朝が汚れてしもうた。


「二宮さん!?食べ...!?」

そんな声が聞こえていた時には時既に遅し。
キラキラフェイスの翔さんが、ゲスゲス料理のオムライスを食べていたわけで。。


私、大大大後悔。。。





「ん、いけるんじゃない?」

ぬあっ!?
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