不器用な彼に恋した私。



聞きたいこと・・・って何?
すっごい、改まって真顔で見つめる二宮が不自然すぎて、私も真顔になる。


「あのさ。」
「何?」


「お前らカップルって、もう夜の営みとか、しちゃってる系?」

何その系。流行ってるの?ほんとに。って尋ねたかったけど、そっち系よりも営み系が気になって気になって・・・って!!


「はぁ!?夜の営みぃっ!?」

オシャレなバーなのに不似合いな雄叫びが響く。
夜の営みって!?夜の営み?

夜の営み・・・
よるのいとなみ・・・
ヨルノイトナミ・・・
yorunoitonami・・・

私の脳内辞書には該当するデータが存在しません。
っていうか、覚えがありません。
どうか、wikipediaの超詳しい辞書へお進みください。


・・・。
低いイケメンボイスのイケメンバーテンダーが、“お静かに”と言うように唇に人差し指を当てた。
うわぁ、かっこええ!!ゲームから“こんにちはっ。”って乙女ゲームから登場してきた男性キャラクターみたい。

ちょっと惚れ惚れしてたら、頭に拳が飛んできた。

「痛っ!!」
「馬鹿でかい罵声をプニプニした腹から出すな。
ほら、尋問だ。尋ねてる。答えなさい。」


場に不釣合いの尋問。すんなや!

・・・と居酒屋だったら罵声をあげるだろう。
だけど、もう一回叫べば即、あのイケボ(イケメンボイスの略)で出て行けといわれるだろう。
あの、イケボに言われたくない。

だから、必死に耐える。


「なんだ?なんだ?うんこでもしたいのか?」
「うんこって!!排便したい感覚無いです!ゼローよ。」

某ニュース番組様。
どうかお許し下さい。

ゲスい二宮はまだまだ粘り続ける。
人の夜の営み事情がかなりお好きのよう。


「ほらほらー、どうなんだよー。」


あぁ、もうしつこい。
夜の営み?あぁ?
そんなの私達にはありませんよ。

キスさえもね!!


あぁー、もう知ってるくせにいちいち聞いて傷に触れるからなー。。


もう言っちゃえ。
やけくそになった私は、口を開く。


「だーれにも触れられたこと無いですよ?キスはあるけど。まだまだ少女。見た目はおばさんだけど!」


二宮はまた急に真面目な表情をした。



「え、カップルの営み以前にまだ少女!?そこは!?」
「そーですよ、アラサーだけど、まだ少女。(笑)」

二宮は、笑えねーわ。って呟きながら笑ってた。
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