不器用な彼に恋した私。
誰にも会いたくないな。
ベッドの上で考えた金曜日。

午前7時34分。
微妙な時間に起きた私。
バスの時間は8時00分、最寄のバス停に着くのバス。
電車の時間は8時30分、最寄の駅に着く電車。
駅近の会社は、いつも8時45分に着く。
そこから近くのスタバでキャラメルフラペチーノを購入。
甘さ加減が良いのがツボなんだ。
こうして朝の朝礼が終わると外回りだのなんだので一時騒がしくなるのだが、静かになるのもまた早い。
外回りよりもデスクトップの仕事が多い私は、いつも右斜め前の奥の席の翔さんを見ては癒されるのが日常。



だけど、今日は嫌だ。
会いたくない。会いたくない。
そう、ベッドにうつ伏せになるけど、そうは言ってられない。
なぜなら、この週が明ければ、二宮と北海道へと旅立つのだ。
1週間、北の大地なのだ。

そこで行われるミーティングの内容とか全部把握しておかないと、会社の恥じ。
今日は有休取りたくても取れないのだ。


しぶしぶ、ベッドから起き上がるとチョコチップパンを頬張りながら、スーツに着替える。
クールビズが始まってるみたいだけど、さすがにクールビズに来ていける服が無くて、暑いのも承知でスーツを着ている。



ボーっと歯を磨いて。

ボーっと髪を降ろしてコテで軽く巻いて。

ボーっと鞄に物を詰め込んで。


ボーっとしながら家から出た。
音楽聴きながらボーっとバスを待った。

バスに乗ってる時もボーっと降りる駅をただただ待っていた。

最寄の駅に着くとまたまたボーっと電車を待って。
満員電車の中、揺れながらボーっと東京の街を眺めていた。



ボーっとしていると会社のある駅について。
ボーっと降りると、ただただ会社の近くにあるスタバに、ボーっとしながら歩く。
スタバでフラペチーノとボーっとして注文すると、カップに“FIGHT!”の字が書かれていた。
そのカップをボーっと見つめ、店員さんに感謝の旨をボーっとしながら伝えた。

ボーっとしながら会社について、セキュリティゲートに社員証をボーっとしながら当てて通ると、ガラス張りの清潔感溢れる社内が視界に広がった。



あーぁ。

今日一日、やっていくのか。


そうボーっと考えてたら、ボーっとした私に気付いたカコが、

“負のオーラ漂うわー。マジ負のオーラ溢れる人と一緒に居たくないわ。
これで負のオーラ除去してよ。”

と言いながら渡したものは。

・・・ウィダーinゼリー。



あざっす。
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