不器用な彼に恋した私。



そのまま、結局シジミ汁をお昼に飲むことになった私達三人衆はシジミ汁を求め、人がごった返す食堂を回る。

でも、お目当てのものは見つからない。
そろそろ腹の虫が。。

「もう諦めて、あのバカんとこ行こう。」

バカとは。
いつも私達がお昼休みを潰すカフェの店員である鈴木ちゃんのこと。
いつも爆弾発言&天然発言に二宮が呆れて、バカって呼ぶように。


「えー!シジミ汁飲みたかったのにー。。」


飲みたかったんかい。


ギュルルルル…。
盛大に三人の間で私の腹の虫が鳴く。


「お腹減ってたの…?」
「あっは☆鳴っちったわー、テヘペロ!」


2人、ドン引き。
だろな。


「とりあえず、井上のプニってる腹が限界だ。バカんとこで作ってもらえるんだったら作ってもらえばいい。」


プニッ!?
ウエストそんなに…。
いや、でも、たしかに最近きついかも。。



っておい!!
二宮の方がポニョってる!
ポニョポニョのクセに……。。

















で、結局来てしまったいつものカフェ。



「鈴木さん、シジミ汁ある?」
「ええっ!?突然?
さっきの……あのメガネの客さんで終わったよ?
今日分のシジミ汁ちゃんは。。」



否、いつものカフェとは違うようだ。
何故なら、ブルーカットメガネを曇らせてシジミ汁を堪能する人。




そう、翔さんだ。



「えっ、お仕事男子…。」
「おいおいおい…ちょい待て。
俺の二日酔いはどーなんだ!!」


コンディション悪しの二宮。
いつものように、鈴木ちゃんにロコモコを注文した。


「結局変わんない。。
まーいや、アボガドサンドくーださい。」

「はいよー!いつものマンゴーでいい?」

「うん!それでOK。」



私、何にしよう。
迷いながら、メニュー表見つめた。

うーん。
今日の日替わりはエビフライ。
でも親子丼も捨て難い。

でもでも、スタミナつけるためにTボーンとか。
いやいや、そこはヘルシーにサラダだけとか?


んんんん。。


















「鈴木さん、これ彼女に。
俺が一緒に払うから。」








目の前のメニュー表にトントン、綺麗な指先。
顔を上げると、トレンチコートを着て、勘定待ちのメガネをかけた翔さんがいた。
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