恋の相手は…おじさん!?
高級ビル&偶然の出会い
登場人物
主人公/城山 宙良(ジョウヤマ ソラ)
父/城山 裕貴(ジョウヤマ ユウキ)
父の同期/加藤 空(カトウ ソラ)
管理人兼加藤さんの代わりの医者/田中さん(タナカ)

ー宙良sideー
私は無事大学を卒業し、高級ビル、通称"B.C. square TOKYO"に移住した。
なんで、大卒の私が高級ビル住めるのかって?
疑問に、思った人もいるでしょう。
それは私の父が医者だからだ。このビルの4階のクリニックで働いていた。不幸な事故により亡くなってしまったが、遺産を沢山残してくれていた。使っても使っても無くならないくらいに。それに、父の口癖は「無駄遣いするな!」だった。そんな教育あってか私もお金に関しては、慎重だった。父がいなくなった今、私は頼れる人がいなかった。
「悲しいというか…忙しくて悲しむ暇もなかったなぁ…」
そう独り言を吐きながら、父の遺品整理などしつつ部屋の片付けをしていたら1通の手紙を発見した。
遠い昔に父が遺書として書いていたのだろう…。

『宙良へ

この手紙を見つけちゃったか…
ってことは俺はもうこの世にいないのだろう…健康だったのになぁ…俺が死んだ原因ってなんだろうな…。どうせ、バカな死に方なんだろうなぁ(笑)
寿命だったら嬉しいけど。
もっと宙良のそばにいたかったな…もういてやれなくてごめんな…。もう、俺がいない今君に親戚はいない。んー、まぁ恥ずい話、離婚したんだ。その時、他の親戚とも縁きってしまったんだ…ごめんなぁ…宙良が幼き頃に…
それでな…俺の職場に俺の医者の同期がいる。名前は加藤 空(カトウ ソラ)。同じ名前でウケるだろ?wそいつとってもいい奴だからお世話になるといい。そうはいっても宙良が今何歳かはわからんけど、まだ年頃の女の子だろうし、おっさんと暮らすのは嫌だよな?
オレが宙良だったら絶対嫌だわ~。
だから、そいつが住んでる高級ビルに移住することを進める。クリニックもついてるから安心だぞ!でも健康管理はしっかりするんだぞ!あと、あんま頑張り過ぎんなよ~。父さん少し心配(笑)
ま、他にも色んな優しい人達が住んでいるから寂しい想いをすることはないと思う。家賃代については沢山お金が残ってる。俺の遺産金もあるしな!それでも宙良が嫌ならこのまま今の家で暮らしてもいい。ビルに、住みたいなら移住してもいい。それは宙良自身が決めなさい。好きな方を選べ。
もし、どっちを選択するにしても困ったことがあったら加藤さんに相談しなさい。移住する場合でも、加藤さんに引越しの手伝いなどしてもらいなさい。良い奴だから安心して頼りなさい。話はつけてあるから大丈夫だ。
宙良は金の管理がしっかりしてるから金については安心して任せられる。遺産金も全部宙良のものだ。好きなように使っていいが無駄遣いは、すんなよ??
大丈夫だと思うが(笑)
っと長くなってしまった。
最後の最後まで付き合わせてごめんな。
俺は宙良が俺の子供で本当良かったと思っている。宙良と共に過ごせて良かったよ。
俺がいなくても頑張って生きろ。
あの世から見守っています。
自分らしくがんばれ。
父より』
「なげぇよ(笑)」
相変わらず長ったらしい下手くそな文…。思わずセリフが零れた…。
でもお父さんの気持ちがすごく伝わった。
あんま父に親孝行してなかったな。それだけが後悔。こんな私をここまで育ててくれてありがとう。最後の最後まで私を思ってくれる手紙をありがとう。直接言えなかった言葉…お父さんがいる天国まで届いてくれるかな。今まで感謝の気持ちを伝えられなくてごめんね。本当に感謝にしてる。上手く感情がまとめられないけど私のありがとうの気持ち天国まで届いてるといいな。
それでね、ぶっちゃっけ少し寂しいし、移住するよ。高級ビル憧れてたしね。でも、加藤さんって誰なの…電話番号も知らないよ。ちょっと書いてほしかったな…(笑)
とりあえず、同期ということはそのビルに行けば会えるかな?ま、移住してからでも遅くないでしょう…。
そんな経緯で私はこの度高級ビルに住むことになりました。
引越しってから1日目、そろそろ挨拶周りもしないといけないけど…デカすぎ!!広すぎ!会社とか沢山入ってるし…人も沢山だし、少し人酔いしそうな感じ…。
高級ビルってこんなものなの?未知の世界だったからなぁ…すごく新鮮。
私が住む所52階らしい…。どこかわからず管理人さんに聞いたよ!行き方も不明らしく管理人に、頭下げて教えてもらったよ。口外禁止って言ってたけど…なんでなんだろ?
お父さん、もっと詳しく書いてほしかった…
とりあえず、住んでいる人が少ないというのだけなのが救いかな。それでも10人近くいるし…10号室はいつ訪ねても留守だから誰が住んでいるかわからないし…
うう、これから私やっていけるのかな…。就活も失敗。認定すらもらえんかった…。父に甘えられて育ってしまったから全部上手くいかないのかな…もういい年だし、いい加減自分でも稼がないといけないんだけどなぁ…
はぁ気晴らしに噂で聞いたイケメンばかりが集まるアッパーフロアをのぞいても良かったけど落ち着かんから、BARでも行こう。ここもイケメンばかりみたいだしね。金はあるし!!
ボサボサの髪を整え、格好にも少し気を使い2つ上の階にあるイケメンBARに入った。噂通り、ちょーイケメンが出迎えてくれた。
適当に注文を済ますと1人のイケメンバーテンダーが、
「よく、ここまで来れましたね。結構値高くなかったですか?」
と聞いてきたので「いや、別に…金はあるので。」と、答えるとそれは凄い!と驚いたような表情を見せた。
すると、私の横に座っていたおじさんがこちらを、みて
「あんた、もしかして城山さんの子か?」とこりゃたまげたと言わんばかりの勢いで聞いてきたので、そうですけど…と控えめな態度で返すと
「おー、やっぱか…じゃないとこのビルに住めんしな。特に若い子は…。」と勝手に納得している様子だ。
私が頭に?マークを浮かべてるとそのおじさんが「あー、そこまで詳しいこと書いてなかったのかぁ。全く城山さんも真面目だなぁ。あのな、52階に来る際めんどくなかった?移動。」
「確かそうですね…」
「だろ?管理人さんから52階の行き方は口外禁止って言われたろ?」
「はい…でもなんで禁止なんですか?」
「それはな、俺もわからん。だが、その理由知っとる人物おるぞ。誰かは教えんけどな!プライバシーだし。ガッハッハ(笑)」
「でも、なんか聞いた話だと専用エレベーターがあるとか…でも、来る時は使わなかったし…」
「あー、それはあるらしいぞ。どこかは俺も知らん。ま、詳しく知っとる人に聞くんだな!ワッハッハ」
と豪快に、笑いながら横にいたおじさんはまた飲み始めた…。
私はこのおじさんに、付き合う気もなかったので適当に飲んで自分の部屋に戻った。すると数時間後にさっきまでいたおじさんが来た。
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