恋の相手は…おじさん！？

加藤さんの提案

早朝、ドアのチャイムがなった。
寝起きのまま出ると加藤さんがいた。
｢おー、起きたか！仕事は？｣と早朝に起こしに来たことに謝りもせず聞いてくる。私は本当のこと言いたくなかったから濁してると、
ないんだろ！？と知ってたような感じで言ってくる。なら最初から聞くなよ…いじわるだ。そう思った。
すると、その加藤さんは急いで準備しやー。いい所連れてってやるで！っと犯罪者のようなセリフを放った。
まぁ、この人が父の知り合いというだけで安心感のあった私はその人について行った。
相変わらず移動がめんどくさいビルだった。が、10階についた途端、わかりやすい所にエレベーターがあったので楽だった。そして、そのエレベーターにのり４階に到着した。すると加藤さんが
｢おー、着いたでー。ここ。｣
と言った。そこは父の職場だった。
｢クリニック…？｣
行ったことはなかったがよく話を聞いていた。俺は高級ビルにあるクリニックで働いてんだ！って自慢してたっけ。とクスッと思い出し笑いしてると、加藤さんが
｢おー、その様子だとこの場所がどこか知ってるみたいだな…こりゃ好都合だ！｣
と笑いながら言った後、真剣な表情で
｢そらちゃん、このクリニックで働かない？｣と言った。
私は急な提案にびっくりして、とっさに
｢え、でも知識がないと…ダメなんじゃ…実習も行けてないし…まず、医療系の大学に言ってないです…｣と小声でボソボソ返答すると…
｢うん、知っとる。だからもう一回大学入って、通いながら見習いとして働こ？知識も君が思ってるよりは充分ついているから安心せーや。ま、試験は受かってくれなきゃ困るけどな！あーあと金は君の父さんの遺産金使いな。勉強の為ならあの人も怒らんだろう。どうせ暇だろ？｣と加藤さんは笑顔で私の頭をクシャクシャと撫でてくれた。いつでもわからないとこは教えるから！と最後に付け足してもくれた。ちょっと強引だったけど、今更就活するのもめんどかった私は加藤さんの提案にのり、見習いとして大学に通いながら働くように、なった。