食わずぎらいのそのあとに。
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実家のリビングを駆け回る子どもたちに聞いてもらえるように、少し大きな声をかける。
「みちる、ママ行ってくるね。楽しく遊んでてね」
「はーい。みちるね、おそとたんけんしてるから」
「たんけんって?」
「香ちゃん、エンジン音してるじゃん、ほら。早く行きなよ。機嫌悪くなるよ」
「うん、わかった。よろしくね、健太も」
「いいから早く行けって。オレにもおみやげね」
「ママ、たっちしよ」
「うん、たっち。ばいばい!」
かがみこんでみちると手を合わせてから、また背が伸びた健太にお任せして慌てて靴を履く。
妹達をいつも世話している健太は優しくて、みちるの憧れのお兄ちゃんだ。