ビルに願いを。
それからしばらく日が過ぎて、今、私はあの高層ビルB.C. square TOKYO内をカツカツと音を立てて歩いている。
目指してるのは2階のカフェでも3階の銀行でもないなんて、自分でも信じられない。
アッパーフロア専用エレベータに乗り込み、I.D.カードをかざしてから28階へのボタンを押す。
すると27階のアッパーフロア受付を素通りして目的階で降りられる。
廊下からオフィスへの白い扉もピッとカードをかざして通り抜け、スタッフ席に寄って鞄をしまった。
朝7時過ぎのオフィスにはもう数人のエンジニアさん達が出社していて「ハイ、アン!」と声をかけてくれた。
朝型だなぁ。いや、徹夜かな。
半円形のブース内に3人ずつ外向きに並んで座る変わった配置の席が並ぶエンジニアさんたちのエリア。
そこを素通りして、広々とした社内カフェに向かった。
「さすがにセルフサービスだけどね」
とひとり呟く。まだあまりにも現実感がなくて、時々声を出さないとふわふわと地に足がつかない気がする。
ここで自分が働いているというのが、どうにも信じられない。
あの日登録したフェニックスワークから『うちの本体であるIT企業フェニックスの面接を受けないか』という内容のメールが届いた時は、何かの冗談かと思った。
しかもオフィスはB.C. square TOKYOにあるという。
立て続けに何人もの社員さんと日本語や英語で面接を受けた。
その間に前の文具会社の社長さんにも話が聞けたそうで、あっという間に採用が決まった。
お給料も嘘みたいによくて、夢じゃなかったら奇跡、もしくはあの時拝んだこのビルの御利益?
目指してるのは2階のカフェでも3階の銀行でもないなんて、自分でも信じられない。
アッパーフロア専用エレベータに乗り込み、I.D.カードをかざしてから28階へのボタンを押す。
すると27階のアッパーフロア受付を素通りして目的階で降りられる。
廊下からオフィスへの白い扉もピッとカードをかざして通り抜け、スタッフ席に寄って鞄をしまった。
朝7時過ぎのオフィスにはもう数人のエンジニアさん達が出社していて「ハイ、アン!」と声をかけてくれた。
朝型だなぁ。いや、徹夜かな。
半円形のブース内に3人ずつ外向きに並んで座る変わった配置の席が並ぶエンジニアさんたちのエリア。
そこを素通りして、広々とした社内カフェに向かった。
「さすがにセルフサービスだけどね」
とひとり呟く。まだあまりにも現実感がなくて、時々声を出さないとふわふわと地に足がつかない気がする。
ここで自分が働いているというのが、どうにも信じられない。
あの日登録したフェニックスワークから『うちの本体であるIT企業フェニックスの面接を受けないか』という内容のメールが届いた時は、何かの冗談かと思った。
しかもオフィスはB.C. square TOKYOにあるという。
立て続けに何人もの社員さんと日本語や英語で面接を受けた。
その間に前の文具会社の社長さんにも話が聞けたそうで、あっという間に採用が決まった。
お給料も嘘みたいによくて、夢じゃなかったら奇跡、もしくはあの時拝んだこのビルの御利益?