クリスタルハート
「はぁ…。」

あり得ない。私はどんだけ涙が出るんだと思った。

昨日のこともあり、一ノ瀬は話しかけてこない。

「痛っ!!」

――ポタッ……ポタッ…。

ノートに仕掛けられたカミソリで手を切ってしまった。

教室は静まり返った。

「テメーいい加減にしろよ。」

最初に静寂を破ったのは、一ノ瀬だった。
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