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恋の始まり?
コート無しでは出歩けない季節…窓からの陽射しは弱いが風を遮っている分暖かく感じる
目の前の、フワフワでマロンブラウン色の髪をそっと撫でた
君は机に伏せて寝息をたててる
「おーい…裕亮(ユウスケ)……置いて帰っちゃうぞ?」
起きて欲しい気持ちと、ボンヤリ寝顔を見ていたい気持ちが入り雑じり、思わず小声になる
「……ん」
少し反応を示す裕亮。反射的に裕亮の髪を撫でてた手を退けた
「…ふぁ…はぁ…あれ?いつの間にか寝てた(笑)」
「寝過ぎだし!置いて帰ろうかと思ったよ」
「弥恵(ヤエ)冷たっ!」
んーっと伸びをしてから裕亮は立ち上がる。寝起きの癖に爽やかな野郎だ。
「んじゃ、帰ろう」
裕亮の言葉で、二人並んで歩く
手は繋がない
だって、ただの友達だから
それに、裕亮は外見が良いからモテる。付き合ってもないのに手なんて繋いだら、裕亮に好意を寄せてる女子に殺されるだろう
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