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一番近い君
「夏帆(カホ)…夏帆!!夏帆夏帆夏帆夏帆」
「大河(タイガ)うるさい!お姉ちゃんって呼びなさいよ!」
背後から抱き付き、私の名前を連呼するのは2つ年下の義弟。お父さんの再婚相手の連れ子。
背は私より10センチ高いくらいで、髪は少し茶色くアイドル雑誌とかに載ってそうな髪形だ。
学校での人気が凄くて、3年の私のクラスにも大河のファンは居るほど。
「…お姉ちゃんって…文字数多いし」
「文句言わないの……で、用事は何?」
「夏帆のタイプってどんな男?」
背後から私の顔を覗き込むようにする大河。
耳に大河の頬が触れる
「…っ…近いってば!私のタイプは○○の野原君!」
「アニメかよ(笑)」
大河から離れて、思い付いたアニメキャラを言った。この野原君、どことなく大河に似てるから好きなんだ。
そう…私は大河の事が異性として好きなんだ。
弟としてじゃなくて…男性として…