ただ、守りたい命だったから
「…なんで…そんなこと言うんだよ…。オレ、バカだ。お前の怒ってること、嫉妬だからって簡単に考えて、嫉妬してくれることに満足して…お前の話ちゃんと聞いてやらなかった。ごめ…一人で産ませてごめん。不安ばっかりだったよな。父親がいない子供にさせたと、潤ならたくさん悩んだはずだ。悪かった…。潤、この子を抱かせてくれるか?」
ボロボロに泣きながら、私に言ってくる情けない顔の薺。
こんな薺、見たことない。
『うん…抱いてあげて。まだ首が座ってないからね。』
櫂琉がそっと慈季を渡してくれる。
恐る恐る抱っこすると、
「小さい…。慈季って名前なのか?いい名前だなぁ。お前のママ、いっぱい悲しませてごめんな。慈季も腹の中からずっと不安だったよな。ごめんな。……可愛いな…。」
感慨深げに泣きながら話しかけてる薺を見てたら、もう涙が止まらなくなった。
気づけば全員泣いていた。
そのあと、みんなでお昼ご飯を食べ、家に移動した。
二人はレンタカーを借りてたらしく、その2台に別れるのも嫌がった薺がうちの車に乗り、寧々がかわりに朝霧主任の運転する方に乗った。
薺は後部座席に乗り、ずっと慈季を食い入るように見ている。
もう父性が目覚めてるのかしら?
慈季も起きていて、じぃっとおっきな瞳で薺を見ている。
時折手を前に出して、薺の前髪を掴もうとしてる?のかな。
絶対見れないと思ってた、すごく微笑ましい光景にひとり涙ぐんでしまった。
ボロボロに泣きながら、私に言ってくる情けない顔の薺。
こんな薺、見たことない。
『うん…抱いてあげて。まだ首が座ってないからね。』
櫂琉がそっと慈季を渡してくれる。
恐る恐る抱っこすると、
「小さい…。慈季って名前なのか?いい名前だなぁ。お前のママ、いっぱい悲しませてごめんな。慈季も腹の中からずっと不安だったよな。ごめんな。……可愛いな…。」
感慨深げに泣きながら話しかけてる薺を見てたら、もう涙が止まらなくなった。
気づけば全員泣いていた。
そのあと、みんなでお昼ご飯を食べ、家に移動した。
二人はレンタカーを借りてたらしく、その2台に別れるのも嫌がった薺がうちの車に乗り、寧々がかわりに朝霧主任の運転する方に乗った。
薺は後部座席に乗り、ずっと慈季を食い入るように見ている。
もう父性が目覚めてるのかしら?
慈季も起きていて、じぃっとおっきな瞳で薺を見ている。
時折手を前に出して、薺の前髪を掴もうとしてる?のかな。
絶対見れないと思ってた、すごく微笑ましい光景にひとり涙ぐんでしまった。