ただ、守りたい命だったから
これからのこと
楽しくみんなでバーベキュー。

私の友達家族も来て、大人数でするのって本当楽しい。

『二人とも飲んだら?ここに泊まってもいいし、私がホテルまで送ってもいいし。』

「泊まる。」

「オレもいいの?」

『大丈夫。部屋余ってるから、寧々も泊まるし。』

「ありがとう。」

嬉しそうにビールを飲みだした迅くん。

飲みたかったのね。

『薺も飲んでいいのよ?』

「いや、まだ潤と話したいことがあるから。」

『じゃあ、ちょっと砂浜におりてみる?』

「うん。」

手を引かれながら、家の前の砂浜を歩く。

「いいとこだな。」

『でしょ?イギリスとスペインにも家あるんだけど、慈季産もうって決めた時、一番にここだって思ったの。私が大学入る前まで育ったとこだしね。』

「そうか…。」

夕暮れの海を見つめながら、真剣な顔してる薺をじっと見つめてると。

「潤…。オレと結婚して、慈季の父親にさせてくれないか?」

薺と結婚…。

『…嬉しい。でも、ダメ。私は日本には行かない。ここで、慈季を育てたいの。』

その言葉に悲しむ所か、笑う薺。

「実はさ、ハワイにいる幼なじみが、仕事を手伝ってほしいってしつこくて。でも、潤が日本にいると思ってたから、離れたくなくて断ってたんだ。でも…潤がここにいるなら、オレはここで一緒にいたい。…ダメか?結婚してくれなくても、もうオレは離れたくないから、こっちに来るぞ。」




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