ただ、守りたい命だったから
きぃちゃんはハワイでの、挙式プランを現地で請け負う会社なんだよね。

プランナーだし、語学力抜群だし。

私は英語と日本語とスペイン語位だから(家があるから必然的に覚えさせられた)、時々通訳で駆り出されることもあったけど、きぃちゃんはプラス、フランス語と中国語もできるんだよね。

確か、薺も同じ位話せるはず。

薺は中国語じゃなくて、ドイツ語だったかな。

きぃちゃんは、もっと請け負う幅を拡げるために、薺が欲しかったみたい。

でも、ハワイに急に転職して、両親は大丈夫なのかな?

まだ、慈季のことも知らないわけだし、突然孫ができちゃったらびっくりするよね。

勝手に産んで…って、思わないかな…。

受け入れてもらえなかったら、って思うと悲しいし、慈季に申し訳ないな。

「潤?どうした?」

私の顎を持って、目線を合わせてくる薺。

よほど不安そうな顔してたのかな。

心配そうに見てる。
< 25 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop