ただ、守りたい命だったから
私をじっと見つめながら、聞いてくるけれど。

なんで泣かないと思うわけ?!

嫉妬してほしいから、相手を結果的に泣かすの?

私からしたら思いやりに欠ける行為だわ。

『泣かしたかったんじゃないの?そんな思いやりのない行為、私からしたら好かれてないとしかいいようがない。逆の立場になってみたら?私があなたをかまいもせず、蔑ろにして、ウソをついて違う人と出掛けて、それで他の人に優しくして噂になるのよ。何を信じていいのか、だんだんわからなくなってくるのが…わかるわ。』

「潤…。」

「行こう、潤。」

泣きそうになった私を、寧々は気がついてくれて引っ張ってくれた。

涙は見せたくなかったから、すごく有り難かった。

3日目。

今日、私がやめることを課で朝礼の時に発表された。

うちの課でしか言ってないのに、会社中に回ってしまったらしく、いろんな人が話しかけてきた。

今日、薺は午前中外回りで午後出社らしく、まだ会ってはいない。

もう、話すこともないけれど。

ほとんどの人が薺の事を聞いてくるけど、曖昧に流しておいた。

もう噂に巻き込まれたくない。

それくらい疲れやすい身体が、精神的にも疲れていた。



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