世界にひとつのどこにもない物語
肩を並んで一緒に歩いていたら、
「なあ、まや」
狼谷が名前を呼んできたので、まやは彼の顔を見た。
「わい、思ったんやけど…」
そう言って狼谷は話を切り出したかと思ったら、
「いっぺん、元彼と話しおうた方がええんやないかと思うねん」
と、言った。
言われたまやは訳がわからなかった。
「その…元彼が悪いヤツだとは、どうしても思えへんねん。
わいは、何か理由があったからまやの前から姿を消したんやないかと推理しとるんや」
「理由があって、ですか?」
「例えば、やむを得ない事情とか」
「はあ…」
「せやから、昨日まやの姿を見つけて絡んできたんやないかとにらんどるんやけど…どうや、元彼と話しおうてみたら」
狼谷の目からそらすように、まやはうつむいた。
「なあ、まや」
狼谷が名前を呼んできたので、まやは彼の顔を見た。
「わい、思ったんやけど…」
そう言って狼谷は話を切り出したかと思ったら、
「いっぺん、元彼と話しおうた方がええんやないかと思うねん」
と、言った。
言われたまやは訳がわからなかった。
「その…元彼が悪いヤツだとは、どうしても思えへんねん。
わいは、何か理由があったからまやの前から姿を消したんやないかと推理しとるんや」
「理由があって、ですか?」
「例えば、やむを得ない事情とか」
「はあ…」
「せやから、昨日まやの姿を見つけて絡んできたんやないかとにらんどるんやけど…どうや、元彼と話しおうてみたら」
狼谷の目からそらすように、まやはうつむいた。