世界にひとつのどこにもない物語
「その翌日にまやに言われて病院に行って診察を受けたら、何故か大学病院で詳しい診察を受けるようにと医者から言われてそこに行ったんや。

そしたら、難病指定の病気にかかっとるって診断されたんや」

「えっ…?」

かすれた声で聞き返したまやに、嘉門は今にも泣きそうな顔をした。

「俺、まやに迷惑がかかると思ったから、それで…」

呟くように答えた嘉門に、
「それで、ウチの前からいなくなったってこと…?」

そう言ったまやに、嘉門は首を縦に振ってうなずいた。

ポロリと、うなずいた拍子に彼の目から涙がこぼれ落ちた。

「何で…何で、そんな大切なことを黙っとんたよ!?

何で言うてくれへんかったんよ!?」

強い口調で聞いてきたまやに、
「すまんかった…!」

嘉門は泣きながら謝った。
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