恋した相手は?!
ガラガラガラっ―
「失礼しましたー」
ふぅー、やっと終わった日直の仕事。
「お疲れ様、陸翔。やっと帰れるね」
「あぁ」
あくびをしながら返事をする陸翔。
その格好でさえ様になってるなんて恐るべしイケメンよね……。
靴箱で靴を履き替える。
陸翔は先にスタスタと行ってしまった。
私も早く帰ろうっと。
お腹もすいたしね!!
今日の夜ご飯はなにかな〜。ハンバーグとかだったらテンションあがるな〜。
なんて呑気に考えてたら、校門に人影を発見。
……ん?誰だろう、こんな時間に校門に人?生徒かな?
「あ、あれ…?」
そこにいたのは、さっきスタスタ行ってしまった陸翔。
帰ったんじゃ、なかったのかな…?
私は疑問に思ったので素直に陸翔に聞こうとしたとき、
「帰るぞ」
「え?あ、う、うん」
もしかして私のこと待ってたのかな?
「なに?陸翔、一緒帰るってこと?なら靴箱から一緒に行けばいいのになんで校門なのよ」
べつに一緒に帰るとか今まで何回もあったのに。
「特に理由ないけど。てか早く帰ろうぜ」
??変な陸翔。まぁいいか!帰ろう。暗くなってきたし。
私たちは帰り道を歩く。
わりと家が近い私たちは同じ方向。
徒歩通学だから学校と家までの距離もそこまで遠くない。
「相川」
「ん?わ、ひゃあ!」
名前を呼ばれたかと思うと陸翔は、いきなり腕を引っ張った。
「ちょ、なにすんのよ急に!」
「後ろから自転車来てんだろーが」
「あ……」
「それと、車道側。危ねーからこっち側歩け」
そういう、ことか。
なになに、優しいとこあんじゃん。