恋した相手は?!
「なぁ、こっち向けよ」

耳元で言う。

「いっ、いや…だ」

「なんだよこっち向けよ」

「ちょっ…!」

相川の綺麗な髪をかきあげ、頬を手で挟みこっちに向かせる。

「なっ……」

え……。

「な、なによ!別に笑いたかったら笑えば!私男子にそこまで免疫ないんだからね!ばーかばーか!!!」

そこにいるのはいつもの強気な相川じゃない。

いや、口調が強気なのは変わりないけど。

今の相川は、顔が真っ赤でちょっと困った顔して、でも頑張って強気を保とうとしている。

やべえ。なんだよこれ。
反則だろ、こんな顔。

こんなんでばーかとか言われても怖くないっつーの。むしろ可愛いから。

「もう、降ろしてよ!はやくっ!」
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